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デトロイト・メタル・シティ






2011年7月28日 更新



あらすじ

おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンに憧れ、大学進学を機に田舎から上京した心優しき青年・根岸崇一。
「NO MUSIC NO DREAM」を胸に、デスレコーズの新人ミュージシャン募集に応募するが、本人の意志を無視して悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」(通称DMC)のギターボーカル「ヨハネ・クラウザー・II世」として売り出され、あろうことかカリスマ的人気を博してしまう。





著者 :若杉公徳
発行 :白泉社
連載 :ヤングアニマル 2008年〜2010年
単行本 :全10巻

















■ ハイジン

 それでは始めていきます。今回はマンガ「デトロイト・メタル・シティ」なんですが、この作品は2005年から2010年までヤングアニマルで連載されていたギャグ漫画なんですが。
えっとですね、90年代ってのはギャグ漫画ってのは粒揃いと言うか、人気があって、実際に面白くて、ってのは、多数存在してたわけなんですね。






■ ニクロ

ありましたね。マサルさんとか。稲中とか。






■ ハイジン

 そうなんですね。でも、00年代に入るとギャグ漫画で大ヒットしたってのが無くなるんですね。
ギャグ漫画の数自体は変わってないのかもしれないんですけど、いわゆる商業的に、一般社会への影響的にドカンと来た漫画は無くなって来てるんですよ。
そんな中で00年代でほぼ唯一ドカンと来たギャグ漫画ではないかと、個人的には思っているんですが。
まずは、一読した時の感想なんかを聞いてみたいと思うんですが。






■ ニクロ

 最初に読んだのは学生の時で、今この漫画が流行っている、みたいな売り文句を帯で全面に押してて。
買うモンが無かったからたまたま買って読んだんですけど、着眼点が凄く良かったと思いましたね。
デスメタルバンドのボーカルなんだけど、実はポップミュージシャンをやりたいと思ってる青年、という設定が凄く面白くて。
アレって第一話って読みきりなんですかね?






■ ハイジン

読みきりですね。






■ ニクロ

 読みきりですよね? 明らかに連載第一回って空気じゃ無かったんで。読み切りっぽいなと思ったんですけど。
そこからバーッと読んでみて、2話、3話と読んでオチはだいたい同じような感じなんですよ。でも、飽きないというか。
いい加減なパターンのギャグ漫画と違って、ディティールをしっかり描いているんで。
物凄く小さいコマの中でのボケとか結構多いじゃないですか。
いわゆる大ゴマでドンドンドンとやるんじゃなくって、本当に見過ごしそうなほど小さいコマの中に笑いを入れてたりだとか。
そうゆう笑いに対するきめ細かさとかが、凄く感じられて、そうゆう意味では繊細なギャグ漫画だと思いましたね。
擬音なんかも、凄く細かいんですよ。その辺の小さくて、見過ごしてしまうほど小さな所に擬音を描いてるからそれに気づいた時に変な笑いが起きちゃうんですよ。
初めてそうゆうきめ細やかなギャグ漫画を見たんで、ビックリして。かつ笑わせて貰った感じですね。






■ 電脳BOY

 俺も当時流行っている時に、まあ流行っいるから読んだって感じですね、まずは。
俺の中では、漫☆画太郎以来ですね。






■ ニクロ

結構、違いますね(笑)






■ ハイジン

漫☆画太郎以来、どうだったんですか?






■ 電脳BOY

僕の中で面白いと思ったのは。僕はギャグ漫画はほとんど読まないんですよ。やっぱり、低俗なんで(笑)






■ ハイジン

 まあ、低俗っていう意味ではこれは掲載誌がヤングアニマルで、ヤングアニマルっていわゆる青年誌と呼ばれるヤンジャンとかヤンマガよりも、ちょっと、下品というか下の方で上なんですね。
エロ漫画も多く載ってる雑誌だから、そうゆう意味では低俗というか、ネタが更に過激な方向に。






■ ニクロ

だから、あーゆうホントだったら女の子が家に置いてたら引いてしまうような漫画が、3巻くらいで帯に木村カエラが帯に推薦文を。






■ ハイジン

あー、ありましたね。






■ 電脳BOY

毎回、新刊が出たら有名人がコメント入れてたね。






■ ニクロ

 アレが最初だったと思うんですよ。デトロイト・メタル・シティが広く認知される始まりっていうのは。
アレを見てちょっと俺はビックリしましたね。そうゆう事を言っていい漫画なんだって。
お洒落マンガに近い所はありますよね。立ち位置としては。






■ 電脳BOY

持ってると通だな、と思わせるようなね(笑)






■ ハイジン

画太郎だとね、ちょっとコアな方にいってるじゃないですか。






■ ニクロ

うんこうんこ、ちんこちんこですからね(笑)






■ 電脳BOY

画太郎は本当に汚いんですよ。でも、DMCは汚い事を言ってるけど笑いに昇華出来てるというか。






■ ニクロ

汚してはいないですからね。









ガチンコ









■ ハイジン

 例えば一番有名な歌の「SATSUGAI」の『今日は母さん殺したぜ 明日は父ちゃん掘ってやる』という、ネタにしても不謹慎極まりない歌とか、100回レイプ発言とか、そうゆう事がこの作品の中ではほとんど空気のように簡単に受け入れられる。
その空間こそが俺は、デトロイト・メタル・シティの凄い所だと思うんですけどね。






■ ニクロ

それは何で受け入れられるんですかね?






■ ハイジン

やっぱり根岸という人間が、まともというか、元々は普通である感覚であって、デスメタルというモノを切り離した別世界として描いていて、そこに対してアプローチしていく様。






■ ニクロ

 要するに共感してるって事ですかね?読んでる方が。半根岸みたいな所で。
そうゆう事を発言するって事に。






■ ハイジン

 そうゆう事だと思います。作者のインタビューみたいなモノでDMCの下敷きにしたバンドなんかも出してたりするんですけど、例えば外国のKISSとか。
で、実際にデスメタルという音楽は日本にも存在するし、それである程度のファンも居て盛り上がってはいるけど、それを一般の人たちが「こいつら、何してんの?」という所を根岸目線で見せていて、そこに根岸が関わるから読者と共有出来るという事なんですね。
そうゆう事を例えば根岸が素でやっていると、イメージを共有出来ないんだけど根岸は、そうゆう事を演じているという事で、過激な下ネタも読者が受け入れられるキャパシティがあると思うんですね。






■ ニクロ

 俺はもう一つ理由があると思うんですよ。受け入れられる所で。オーディエンスが居るじゃないですか。DMCのライブには。
あいつらのノリというか、盛り上がり方が楽しそうなんですね。
要するにデスメタルで「殺すぞ!殺すぞ!」と言いながらも、アレは何かに置き換えられる楽しさだと思うんですよ。
それを、読んでる方もある程度解るレベルで描いてるんで。
 あの中でマジでナイフを持って殺し合いとか始めたら、それは完全に引いちゃう世界なんですけど、やっぱりクラウザーがする事に対して的確なツッコミを入れる。
で、みんなで盛り上がる。あーゆうノリなんかはさっきハイジンが言った共有し得るモノだと思うんですね。
だから、結局あのオーディエンスの反応なんかが観ている側とちゃんと重なってると思ったんですね。






■ ハイジン

 だから、オーディエンスがクラウザーのやる事に対して100%の肯定なんですよ。
実際にクラウザーが悪魔の皇帝である事を、ちゃんとそうゆう風に認識しているっていう前提があるんですね。






■ ニクロ

たまに、こいつらワザとやってるんじゃねえか?っていう空気が面白いんですけどね(笑)






■ ハイジン

 だから、それは微笑ましく見えるんですよ(笑)プロレスじゃないんですよ。ガチンコでやってるんですよね。
設定を楽しむプロレスではなくって、DMCの世界ってのはそうゆう風になっているという、設定を思い込んでる観客だから。
微笑ましく見えるんですね。読んでいて。






■ ニクロ

殺すって言葉も、SATUGAIっていう曲名からそうなんですけど、でも殺伐とはしてないわけなんですよね。






■ 電脳BOY

この世界には悪者は居ないですからね。






■ ニクロ

 まあ一応、社長がある種のヒールというか。無理強いしている設定はあるんですけど。
でも、読んでる方としてはもっとやれ、という気持ちが。どんどん出て来るっていうのは、ある程度受け入れられてると思いますね。
まあ、オーディエンスの話で言うと、俺はオーディエンスのやり過ぎ感が一番面白いんですよ。
俺は、どっちかっつうとクラウザーのやる事よりもオーディエンスの反応の方が面白いんですよ。






■ 電脳BOY

まあ、そうですよね。ツッコミがないと笑えないですからね。






■ ニクロ

そう。ツッコミというか、あいつらはツッコミですらないというか。何て言うんですか?






■ 電脳BOY

煽り?






■ ニクロ

 煽りで「それ冒涜だろ逆に!」っていう、一線越えそうになってるような発言が一瞬ポロッと出るような瞬間が俺は一番面白くって。
そこが、俺のこの漫画の一番好きな所なんですね。






■ ハイジン

 だから、本来のボケとツッコミという役割が無いんですよね。クラウザーというボケ役に対してオーディエンスが煽りとして存在していて、「まさか、クラウザーさん○○までするつもりじゃないのか!?」とか言って。
クラウザーがそれに対して「クソッ!」と思いながらもやっちゃうという(笑)






■ ニクロ

 だから、ダチョウ倶楽部なんですよね(笑)「押すなよ!押すなよ!」と一緒で。
「クラウザーさんやるんじゃねえか!やるんじゃねえか!」と言ってやらせるという(笑)






■ ハイジン

そうゆう類のギャグってのが、今までに無かったパターンだからこそ爆発力があるんですよね。






■ ニクロ

根岸個人の話とか、クラウザー以外の話も結構あるんですよね。






■ ハイジン

 多いですよね。根岸がクラウザーを逆に利用するっていうスーパーマン的な形もあるじゃないですか。
電話BOXで着替える的な発想の。クラウザーの顔を借りて世の中に対しての不満や不平を言う。
根岸はクラウザーをやってる事に対しても不満に思ってるじゃないですか。「僕がやりたいのはこんな音楽じゃない」って。
それら全てがエネルギーになって発散されるという事が一つのツールとして出来ていて、それらを共有出来る事が、この漫画の面白さで、ヒットした要因なんですよ。









DMCのメディア展開









■ ハイジン

俺は映画は未見なんですけど、映画ってどうでしたか?






■ 電脳BOY

俺は当時、ハマっている時に行ったんですけど、まあ・・・観て損したみたいな気分だったな、俺は(笑)






■ ハイジン

過激な下ネタとかは出来ないからですか?






■ 電脳BOY

何ていうか、あーなるか、というか。漫画で十分なんですよね。






■ ハイジン

映画の題材として難しかったんですかね?






■ 電脳BOY

 俺としてはサブくなるだけですよ。やっぱり、漫画の雰囲気だから笑えるのであって。
ニクロは観たんでしたっけ?






■ ニクロ

 俺も観てないですね。ただ、俺はアニメは観たんですよ。アレは結構面白かったですよ。
アニメ独特の面白さではあるんやけど。ホントに一番気持ちいい1話5分くらいなんで。サクッと観れて。
変な話、漫画よりも短いというか。カットもパッパッパッと変わるんですよ。
普通あんなに早くは変わらないと思うんですけど、監督の趣味なのかわからないですけど。
凄い早くカットが変わるんで。そこが観やすいんですよ。






■ ハイジン

DMC登場以降って、似たような構成のギャグ漫画が増えた気がするんですけど、どうですかね?






■ ニクロ

例えば?






■ ハイジン

「聖☆お兄さん」とか。






■ ニクロ

 あれは・・・似てるというか「聖☆お兄さん」はあの二人が自分達がブッタとイエスであると勘違いしてるんじゃなくて、本当にブッタとイエスですからね。そこがまたちょっと違うんじゃないかなと。
なんか、凄すぎる回想を現実のしょうもない事とだぶらせて笑いにしていく、っていう。
あの凄さってのはクラウザーのライブとはちょっと違うと思うんですけどね。
まあ、似てない事もないですけど。要するに裏表系って事ですか?






■ ハイジン

 何ていうんですかね、いわゆる大きなフリを用意するんですね。
フリを用意しておいて、後で大ゴマで落とす、っていう。






■ ニクロ

それは、「聖☆お兄さん」じゃないじゃないですか(笑)






■ ハイジン

「そこじゃないよ!」みたいなツッコミ。クロマティ高校的なツッコミが。






■ ニクロ

 だから、「聖☆お兄さん」はストーリー漫画じゃないじゃないですか。
デトロイト・メタル・シティはストーリー漫画の要素があるじゃないですか。






■ ハイジン

はい。「デトロイト・メタル・シティ」はスートーリー漫画です。






■ ニクロ

その違いが結構ある気がするんですけどね。









DMCのセンス









■ 電脳BOY

この人の描くお爺さんはいいですよね。






■ ニクロ

味があっていいですね。何て言うんですかね、この人の絵っておかしいですよね?






■ 電脳BOY

上手くはないんですけど。






■ ニクロ

下手うま、というか。全然、シャープじゃないんですよね。






■ 電脳BOY

哀愁があるんですよ凄い。俺は、お爺さんが出ただけで笑えるんですよ。






■ ニクロ

そういっちゃん(笑)






■ 電脳BOY

言葉のセンスもいいですよね。






■ ニクロ

だから、台詞にしても丁寧に作られてるっていう。






■ 電脳BOY

考え込まれてはいるね。






■ ニクロ

一回15Pくらいですか?






■ ハイジン

そうですね、結構短いですね。






■ ニクロ

でも、すごいですよね、ギャグ漫画でこれだけやってダレないっていうのは。






■ ハイジン

まあ、週刊ではなく隔週連載だった、ってのもあるとは思うんですけど。






■ ニクロ

うん。でもそれでも。






■ ハイジン

毎回ちゃんと新しいパターンのギャグを放り込んでますからね。






■ ニクロ

 マサルさんみたいに、ギャグ漫画だからアレに逃げれる、って事もないわけじゃないですか。
縛りがキツイわけじゃないですか。デスメタルと日常の行き来の間でしか描けない、っていう。
その中で隔週とはいえやってたのは凄いと思いますけどね。






■ ハイジン

でも、後半はキツかった部分はあったと思いますよ。ネタ切れで。






■ ニクロ

 たぶんね、オシャレ要素を全部書き出して、美容院とか、出家、とかそれを一個一個クリアしていってた気がするんです、後半は(笑)
あと、何気に俺が一番好きなキャラクターは和田なんですけどね。






■ 電脳BOY

ベースのね。






■ ハイジン

ジャギ様。一番まともな。






■ ニクロ

 一番まともなのに一番バカだという(笑) 最初は本当に真面目キャラだったんですけどね。
こいつしか止めれるヤツが居ないという。






■ ハイジン

それが、後半から天然みたいになっていくんですよね。






■ ニクロ

そのクソ真面目さがなんつうか






■ 電脳BOY

共感ですか?(笑)






■ ニクロ

共感というかね、愛らしいというか。






■ 電脳BOY

安心できる?






■ ニクロ

 そう。和田が突拍子も無い事をやってる時が、俺一番笑ってると思うもん(笑)
クラウザーが何かするよりも何よりも。






■ ハイジン

解りました。それでは今回はこれくらいで。



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