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風の谷のナウシカ








あらすじ

火の7日間といわれる最終戦争で現代文明が滅び去った1000年後の地球。
風の谷に暮らすナウシカは、「風の谷」に暮らしながら、人々が忌み嫌う巨大な蟲・王蟲(オーム)とも心を通わせ、有害な瘴気覆われ巨大な蟲たちの住む森「腐海」の謎を解き明かそうとしていた。
そんなある日、「風の谷」に巨大な輸送機が墜落、ほどなく西方のトルメキア王国の軍隊が侵攻してくる。
墜落した輸送機の積荷は、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという最終兵器「巨神兵」であった。
そして、少女ナウシカの愛が奇跡を呼ぶ・・・。


原作・監督・脚本 :宮崎駿
制作 :トップクラフト
配給 :東映

公開日 :1984年3月11日
上映時間 :116分














■ ハイジン

続いて、風の谷のナウシカなんですが。






■ ニクロ

俺の嫌いな(笑)。






■ ハイジン

(笑) 軽く説明を入れると、一応トップクラフトという、ジブリが作られる前の作品なんですね。
前作がルパン三世という原作ありきだったのに対して、ナウシカは宮崎駿自身がアニメージュに連載していた作品の劇場化なので、事実上の宮崎駿オリジナル第一作にあたるわけなんですね。
ちなみに、嫌いな理由はなんですか?






■ ニクロ

 俺はね、ナウシカを最後まで観たのは最近なんですよ、実は。
なんというかね、最後まで観れなかったんですね、いつも。
観れなかったってのは、時間がなくて観れなかったとかではなくて、結構、少食気味なんですよ。
ああゆう環境問題だったり、エコだったりに。凄い真面目顔で作ったんだろうな、ってのを感じて。
 俺が、ラピュタを推すのはエンターテイメント、アニメが持っている一番いい所を見せてくれた、って所であって、はたしてナウシカを観て人は環境問題を考えるのか? って。
まあ、そうゆう事は別に抜きにしてもエエんやけど。
そうゆう事を真面目顔でアニメでやられると、結構、俺はしんどいんですよ。






■ ハイジン

ナウシカに関しては、善悪の構図をそのまんま環境問題と結び付けているじゃないですか。
そうゆう構造は見えてくるんですよね。






■ ニクロ

 テレビの前で見る気軽さってのがね、ナウシカの場合にはなかったんですよ。
それが理由で最後まで観れなかったんですよ。
で、どうもね、一回スーッと見せて欲しいって気持ちが、俺はアニメに対してはあるんですね、どうしても。
実写はね、正座をしてお堅いものならカチッと観たいという気持ちはあるんやけど、アニメはね、どうも俺は軽く小バカにしている所があって。






■ ハイジン

それは、ちょっと見逃せない発言じゃないですか(笑)。






■ ニクロ

いや、アニメってね、そうゆう側面はあると思うんですよ。どうしても。
実写に比べて本気で観れないというか。クレイアニメ(自主制作)を作ってる俺が何を言ってるのかって話ですけど(笑)。






■ ハイジン

まあ、ニクロの場合は、って事で(笑)。






■ ニクロ

 そうそう、俺の場合はね(笑)。 ようは、フィクショナリズムというか、作り物の宿命というか、そうゆうものだから持ちえる面白さで作られたものは、俺は凄い大歓迎なんやけど、そうゆうモノが本来持たなくてもいい、語らなくてもいいモノを真面目にやられちゃうと、ちょっとしんどいんですよね。
千と千尋は、現在のコミニケーション力が言いたい事なんだけど、そんなガチガチにはやってないじゃないですか。
ビックリ箱を開けるように、色々なモノが出てきて、それが本当に楽しく思えて。
で、観た後に、色々と考えられるからいいんですよ。
 ナウシカの場合は、緩む所がないんですよね、観ていて。ずっと、緊張しているというか。
次に誰が攻めてきてもおかしくないみたいな。いきなりオームが襲って来てもおかしくない、
この変な緊張感の元でアニメを観るというのが、どうも俺の中にあるフィクショナリズムからはみ出ちゃうんですよね。
俺は、そうゆうアニメは苦手というか。馴れていないって所はあるんですよ。
だから、ナウシカの点がちょっと辛くなるのはそうゆう所なんですよね。






■ ハイジン

まとめると、真面目過ぎるって感じですか?






■ ニクロ

というよりね、アニメが持ちえて欲しくない真面目さという気がした。






■ ハイジン

アニメにそうゆう真面目さはいらないと。






■ ニクロ

 まあ、1から10じゃないけどさ。ちょっとね、その割合が高すぎた、って所で。
なんていうかね、ギャグみたいな間がないんですよね。
何処を観ても、なんつうか、いつ世界が終わってもおかしくない空気が流れているというか。
全てのシーンがが緊張しているんですね。
 他の宮崎作品では、割とガス抜きのシーンってのはちゃんと入れてるんだけど、ナウシカは世界がそうゆう状態だから、何をしていても緩まないんですよね。
そうゆう部分も含めて、俺は苦手なんですよ。






■ ハイジン

 ナウシカに関しては、完全に終末系じゃないですか。
これは、時代背景なんかも関連しているとは思うんですけど。
いわゆる、世界破滅後の共同性というモノが、まだ強く共感されていた時代で。
 で、オームって、要するに核じゃないですか。比喩でもなんでもなく、実際的に。
核を巡って対立して争うわけなんだけど、なんというか、その終わり方が、かなり直接的に今まで扱って来てたのに、ナウシカが最後神話的に世界を救ってって。
俺は、そこの強引さは好きではないんですね。






■ ニクロ

 でもね、これは話の収拾の付け方が出来ない話なんですよ、どうしても。
ああするしかないというか。






■ ハイジン

 でも、そうゆう落とし前の強引さなんかがね、例えばテーマである環境破壊についてを、観終わった後にしたり顔で語っていたりすると、凄いマヌケに思えて来るような、そうゆう構造になってるんですよね。
俺もナウシカには批判になってしまうんですが、勧善懲悪と環境破壊を結びつけてテーマにした事が、ちょっとキツイなって思ってしまうんですよね。
やっぱり、ナウシカ視点で全部、進んじゃうから。






■ ニクロ

 それは解る。結局ね、もっと民衆の声を出さなきゃいけなかったんですよ、本当は。
ようは、ナウシカの一辺倒の語り口だけがあって、あまりにも民衆が語らないじゃないですか。
語る事は語るけど、それが主張にならないし、行動に伴わないというか。
なんなら、ナウシカに反旗を覆すヤツが味方に居てもいいんですよ。
そうゆう行動性がないから、どうしても宗教じみた(笑) 動きに見えてしまうんですよね。






■ ハイジン

ナウシカに関しては最初から自由じゃないですか。幾らでも動き回れるっていう。






■ ニクロ

その癖、人はついて来るというね(笑)。 一番ムカツク構造なんですよ、俺から言わせたら。






■ ハイジン

父親もすぐに居なくなって、意見出来る人間が誰も居ませんからね。






■ ニクロ

 未熟さがないんですよね、ナウシカには。
本当はそこを、ユパ様なりがそこを嗜めて、考え方が変わるシーンが俺は、あった方が好きなんですよ。
最初から最後までナウシカが変わらないってのがどうも。
地下でさ、栽培とかしてるやんか。生きてる胞子を。16歳であんな事やってるってね(笑)。
もう付いていけないんですよね。で、作品全体の終末感というか、鬱な感じ。
ああいうのって、古臭いというか、やぼったい欝さなんかがあると思うんですよ。
 それが作品の全てを覆ってるような。で、そうゆう世界でスペクタルをやられても俺は乗れないんすよね。
だから、活劇としても観れないし、環境ものとしても観る気がしない。だから、結構、観にくいんですよね。
視点がないんですよね、どう観たらいいのか? っていう。






■ ハイジン

巨神兵の所なんかは、凄い見栄えはいいですよね?






■ ニクロ

だから、切り取ってくれたらいいんですよね。俺が観たい所で言えば、そうゆうスペクタルなトコとか(笑)。








エコロジーと反戦








■ ハイジン

 これって、俺だけなんですかね? 巨神兵が全然、活躍していない事に肩透かしを食らったんですけど。
これって、言われたりするんですかね? 俺は、あれを観た時に凄い肩透かしを食らって。
「こんだけ煽っといて、出番それだけ?!」 みたいな。
これは、俺が巨神兵が暴れるのを期待してたって事なんですかね?






■ ニクロ

あー、かもしれないですね。ようするに、「腐ってやがる」って所に。






■ ハイジン

そうそう(笑) なんか、不完全で、俺の中ではもっと巨神兵が暴れまわるのを想像してたんですね。






■ ニクロ

 人間が究極なモノを作れないって事を宮崎駿は言いたかったんじゃないんですか?
結局、自然のオームに負けてしまうって所で、人間は自然には勝てないって所で、またエコロジスト的な(笑)。
環境問題的なね。まあ、観る側としてはそれは観たいですよね。変な話。






■ ハイジン

 あと、これは宮崎駿という人間の中心部に関する事で、ココを受け入れられなきゃ宮崎駿を受け入れられないという事になりかねない問題なんですけど、俺はナウシカは好きなキャラクターではないんですよね。
ああいうのはちょっとね。1、10じゃないですか。
宮崎駿という人物が描く理想の人物像があると思うんですけど。正義の塊みたいな部分があるじゃないですか。






■ ニクロ

 結局、そうゆう事ですよ、俺たちが宮崎駿の初期の作品を「思い出装置」と呼ぶのは。
勧善懲悪の悪に対してもそうだし、善に対してもそうなんですよ。俺たちは。
そうゆものに疑いを持ってて、100%がそこにポンと居ると、気持ち悪いというか。
そいつが成長をするのならいいけど、そいつは最初から強いんですよね。
 で、そこから、勿論ナウシカも成長はする事はするんだけど、ある枠の中での話なんですよね。
冒頭のナウシカでも、最後と同じ事をやるんだろうな、って気がして。
そこにも疑問を持っちゃうって事はあるんじゃないですか。






■ ハイジン

 環境破壊をテーマにした作品では、もののけ姫で立場を変えて描いているんですけど、ナウシカに関しては、「そうじゃないだろ?!」って事が、頭の中に浮かぶんですよね。
なんていうか、人間は生きちゃいけないのか? っていうような。






■ ニクロ

 ホントに、今、アマゾンで木を切って生活している人たちに、「環境破壊だからやめろ」って言われても、「これしなかったら、食えねえから」って言われたら何も言えないのと同じ事ですよね。
結局、歯車は止められないというか。今のこの環境を維持する為には、何も削れないし、何も切れないという。






■ ハイジン

 隙間がないんですよね。対立している中での。勧善懲悪というものを、そのまんま環境破壊と結び付けて描いちゃってるんで、ナウシカが立場としては、環境破壊に対して批判側に立ってるじゃないですか。
だから、観てる側もナウシカの行動を肯定せざるおえないんだけれども、肯定する事で自分達の首を締めているような。






■ ニクロ

確かに、左翼的所はあるんですよね、ナウシカは(笑)。





■ ハイジン

左翼的とか言っちゃうと、宮崎駿は、ね・・・(笑)






■ ニクロ

 まあ、そうゆう事なんやけどね(笑)。 でも、最近の作品は割りとその辺を中和しながら、第四の生き方をさせてバランスを取ってるし。
ただ、ナウシカは宗教の教祖にもなれんじゃないのかってぐらい(笑)。
ナウシカが何かを言ったら、みんながワーッと行くようなカリスマ性というか、そうゆうモノを持ち合わせてる事に疑問はあるんですね。
 本当言うとね、紅の豚と同じくらい異色なんですよ、ナウシカは。
宮崎駿の代表作みたいな事で出るけど、他のモノに比べたら全然、色が違うと思うんですよ。
ナウシカというキャラクター自体も結構不思議なんですよね。
みんなに慕われて、人格者という所で扱われている割に、やっている事は超人的だし、敵側にも、時には見方側にも付かない独自の主張を持ってて。
で、異常なまでにカリスマ性があって。考えようによっちゃ不気味なキャラクターなんですね。
それを、俺とハイジンは「おかしいじゃないか?」って所で、見ているトコはあると思うんですよ。








宮崎駿の母性愛








■ ハイジン

これって、最初から女がやるからこそ成立する話だとは思うんですけどね。
主人公が男がだったら間違いなく肩が凝るんですよね。






■ ニクロ

 そうやね(笑)。 それは言ってる意味、凄く解る。
ようは、正義感って事に、突っ走ってる所に女性ってモノが入ると、ちょっと中和されるんですね。
バランスが取れている気がするし。まあ、宮崎駿ってのは基本的に女性の力ってモノを凄い信じてる人だからね。
 それは、作って来た映画で、女性を主人公にしたり、背景で使ってたりする事でもあると思うんだけど、(ビートたけしも同じ事言ってるけど、「結局、男は女に勝てない」みたいな。
それは、母性的な事やと思うけど。






■ ハイジン

たけしに関してはね、本当に(映画で)女性が活きないというね。ビックリしますよね(笑)。






■ ニクロ

あの、淀川さんにも言われてるからね。「アンタの映画、女出ないわね」って(笑)。






■ ハイジン

たけしの場合は、男根の塊みたいなもんだから。






■ ニクロ

でも、著書とかでは、男は逆立ちしても女には勝てないみたいな事も書いてるから。






■ ハイジン

還るべき場所は、女って決めてると思うんだけどね。






■ ニクロ

それに近いかどうかはわからないけど、そうゆう信用を宮崎駿は持ってるんだろうと思って。
ただ、それを崩壊させたのが紅の豚なんですけど、それはまた後で語ります。






■ ハイジン

解りました。では、ナウシカの簡単なまとめをしたいんですが、やはり、批判ばかりの映画になっちゃいますかね?






■ ニクロ

 結局、人間を描いていないって所が一番の問題だと思うんですよね。
もちろん、記号としては描いているんだけど、本当の意味で。
人間として描かれる人物が居ないというか。
そうしないと、あんなに硬い世界で物語が成立しないんだけど、あれでしかやれないんやったら、俺はちょっと、好きにはなれないな。ナウシカは。






■ ハイジン

解りました。では、ナウシカはこのくらいで。



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